【犬の管理栄養士が解説】シニア犬に最適なドッグフードの選び方

シニア犬を飼っている皆さん、愛犬の健康を守るためにどのような対策をしていますか?
シーズーの寿命は14~15年ほどです。特に12歳を超えると体質や体調の変化が顕著です。
年齢を重ねるごとに、シニア犬には健康の問題が増えていきます。歯の健康や消化器系の問題、関節のケア、免疫力の低下、さらには視力や聴力の衰えなど、多くの課題に直面します。

人間も動物も年を取れば体のあちこちにガタがきちゃうんですよね…こればかりはどうしようもない…
でも、適切なケアと安全で居心地よい環境を整えることで、これらの問題を軽減し、愛犬が健康で快適な生活を送ることができるようになります。
今回は、シニア犬に必要な栄養素や成分のチェック方法、食欲を高める工夫、さらに具体的なドッグフードの選び方について「犬の管理栄養士マスター」と「老犬介護士」の資格を持つ視点から詳しく解説します。

14歳の老犬シーズー(3代目)のごはんにも気を遣っていた経験があります
愛犬がいつまでも元気で過ごせるようドッグフードの知識をつけたい、自分の愛犬にどんなシニア用フードを食べさせたらいいのか選び方を知りたい飼い主さん、ぜひ最後までお読みくださいね。
シニア犬に最適なドッグフードの選び方
シニア犬の健康を維持するためには、年齢に応じた適切なドッグフードを選ぶことが重要です。
年齢を重ねるごとに必要な栄養素のバランスが変わるので、若いころとシニアになってからで同じフードを食べさせているのは、あまり良いこととは言えません。

若いころに必要な栄養やカロリーと、シニアに必要な栄養やカロリーは違うので要注意ですよ
ここではシニア犬とは何歳からか、老犬に必要な栄養素とその役割、そしてシニア犬向けドッグフードの成分チェック方法について詳しく解説します。
シニア犬とは何歳から?
シニア犬とは一般的に7歳以上の犬を指しますが、犬種や体の大きさによっても違いがあります。
年齢とともに代謝が落ち、免疫力も低下するため、適切な栄養管理が必要です。
シニア期に入ると、体重の増減や被毛の状態、行動の変化が見られることが多く、これらのサインを見逃さずに健康管理を行うことが大切です。
老犬に必要な栄養素とその役割
老犬に必要な栄養素は以下の通りです。
これらの成分は、筋肉の維持、関節の健康、免疫力の強化、抗酸化作用をサポートし、老化の進行を遅らせる効果があります。
栄養素 | 役割 |
---|---|
良質なタンパク質 | 筋肉の維持、修復、免疫力の向上に重要 |
オメガ3脂肪酸 | 皮膚や被毛の健康維持、関節炎の炎症軽減 |
ビタミンE | 抗酸化作用、免疫力の強化 |
ビタミンC | 抗酸化作用、コラーゲンの生成、免疫力のサポート |
抗酸化物質 | 体内の酸化ストレスを軽減し、細胞の老化を防ぐ |
グルコサミン | 関節の軟骨を保護し、関節炎の症状を緩和 |
コンドロイチン | 関節の健康維持、軟骨の生成をサポート |
これらの成分がバランス良く含まれたドッグフードを選ぶことで、老犬の健康をサポートできます。
シニア犬向けドッグフードの成分チェック方法
シニア犬向けドッグフードを選ぶ際には、成分表示をしっかりと確認しましょう。
以下のポイントに注意して、愛犬に最適なドッグフードを選んでください。
- 高品質なタンパク質源が第一成分
- 添加物や保存料が少ない
- オメガ3脂肪酸、ビタミンE、抗酸化物質、グルコサミンが含まれている
- 低カロリー
- 食物繊維が豊富で消化が良い
- 病気や症状、アレルギーを考慮
これらのポイントを押さえて、愛犬に最適なドッグフードを選びましょう。
健康をサポートするシニア犬用ドッグフードの選び方
シニア犬の健康を維持するためには、適切なドッグフードの選び方が重要です。
年齢を重ねるとともに、体の機能が変わり、特に栄養面での配慮が必要となります。
ここでは、愛犬が健やかに長生きするためのドッグフード選びのコツをお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
栄養バランスの取れたドッグフードの特徴
シニア犬には、栄養バランスの取れたドッグフードが必要です。
栄養バランスが取れていることで、免疫力の向上、関節の健康維持、消化機能のサポートなど総合的に健康を支えることができます。
具体的には以下の栄養素が重要です。
栄養素 | 特徴 |
---|---|
高品質なタンパク質 | 筋肉の維持に必要 |
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸 | 皮膚や被毛の健康をサポート |
ビタミンEやC、抗酸化物質 | 免疫力を高める |
グルコサミンとコンドロイチン | 関節の健康を維持 |
これらの栄養素がバランス良く含まれているドッグフードを選ぶことで、愛犬の健康をしっかりサポートできます。
無添加で安全なドッグフードの選び方
シニア犬の健康を考えると、無添加で安全なドッグフードを選ぶことが非常に重要です。
添加物や保存料が多く含まれているドッグフードは、長期的に見て健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、成分表示をしっかりと確認し、以下のポイントに注意して選びましょう。
- 添加物や保存料が含まれていないこと
- 自然由来の成分が多く含まれていること
- 原材料の産地が明確であること
- オーガニック認証を受けている製品
これらのポイントを押さえることで、愛犬の健康を守るための安全なドッグフードを選ぶことができます。
価格と品質で選ぶシニア犬向けドッグフード
シニア犬の健康を維持するためには、価格と品質のバランスが取れたドッグフードを選ぶことが重要です。
高価なドッグフードが必ずしも良いとは限りませんが、安価なものには品質に問題がある場合もあります。
ここでは、品質と価格の両方を考慮して、最適なドッグフードを選ぶためのポイントを紹介します。
高品質でリーズナブルなドッグフードの見つけ方
高品質でリーズナブルなドッグフードを見つけるためには、以下のポイントを参考にしましょう。
原材料の確認 | 高品質なタンパク質源が最初に記載されているか確認します |
添加物の少なさ | 無添加または少量の添加物を含むものを選びましょう |
レビューや評価 | 実際に使用している人のレビューや評価を確認することも重要です |
栄養バランス | 栄養バランスが取れているかを確認し、特にシニア犬に必要な成分が含まれているかチェックします |
れらのポイントを押さえることで、コストパフォーマンスに優れたドッグフードを見つけることができます。
市販、通販、公式サイトの定期購入はどれが一番お得?
ドッグフードの購入方法には、市販、通販、公式サイトの定期購入の3つの選択肢があります。
それぞれのメリットとデメリットを理解することで、最適な購入方法を選ぶことができますよ。
市販(店舗)購入のメリットとデメリット
店舗で購入できる市販フードのメリットとデメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
実際に手に取って品質を確認できる | 品揃えが限られていることがある |
セールや割引が利用できることが多い | 特定のブランドや商品が在庫切れの場合がある |
急に必要になった場合にすぐに購入できる | 店舗に買いに行く必要がある |
通販購入のメリットとデメリット
Amazonや楽天市場などのECサイトで購入できるフードのメリットとデメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
自宅にいながら手軽に購入できる | 実物を確認できない |
豊富な品揃えから選べる | 配送料がかかる場合がある |
口コミや評価を参考にしやすい | 届くまでに時間がかかることがある |
公式サイトでの定期購入のメリットとデメリット
購入するドッグフードが決まっている場合、メーカー公式サイトで定期購入するメリットとデメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
定価よりも10%~25%安く購入できることが多い | 自分で定期購入の停止や変更が必要 |
自動的に定期的に届くため手間がかからない | 初回購入時に情報登録の手間がある |
初回契約時に特典や割引がある場合が多い | 多頭飼いの場合など、数袋分の保管スペースが必要 |
最適な購入方法は、ライフスタイルや価格を比較して決めると良いでしょう。
特に大型のパッケージや数袋単位で購入する場合は、公式サイトの定期購入や通販の方が送料を含めてもお得なことが多いです。
高価なドッグフードと安価なドッグフードの違い
高価なドッグフードと安価なドッグフードの違いは、主に原材料の品質と成分の配合にあります。
高価なドッグフード
- 高品質なタンパク質源やオーガニック素材を使用している
- 添加物が少なく、自然由来の成分を多く含んでいる
- 栄養バランスがしっかりと考えられており、特定の健康問題に対応した成分が含まれていることが多い
安価なドッグフード
- 低品質な原材料や副産物が使われていることがある
- 添加物や保存料が多く含まれていることが多い
- 栄養バランスが不十分で、シニア犬に必要な成分が不足している場合がある
高価なドッグフードが必ずしも良いとは限りませんが、品質と栄養バランスを重視することが大切です。
愛犬の健康を考慮し、適切な選択を心掛けましょう。

個人的な意見になりますが、私は高価なドッグフードをおすすめします。
その中でも、人間の食品衛生レベルと同等の【ヒューマングレード】にこだわりたいですね。
病気や症状に対応しているシニア犬フードの選び方
シニア犬は特定の健康問題を抱えることが多いため、それに対応する適切なドッグフードを選ぶことが重要です。
特にシニア犬で気を付けたい腎臓ケア、心臓ケア、食欲低下や老化に対応するドッグフードの選び方について解説します。
腎臓ケアに最適なドッグフードの選び方
シニア犬が腎臓に問題を抱えている場合、低リン・低タンパク質のドッグフードを選ぶことが大切です。
腎臓に負担をかけず、健康をサポートするための栄養バランスが整ったフードが必要です。
特に、抗酸化物質を含むフードは腎臓の保護に役立ちます。
例えば、ビタミンEやビタミンCは腎臓の健康を維持するために重要です。
また、塩分を控えたフードも選ぶようにしましょう。
これにより、腎臓への負担を軽減し、シニア犬の健康を守ることができます。
心臓に配慮したシニア犬用ドッグフード
心臓疾患を抱えるシニア犬には、ナトリウムが控えめで、タウリンやL-カルニチンが含まれたドッグフードが推奨されます。
ナトリウムの摂取を制限することで血圧を管理し、心臓への負担を軽減します。
タウリンとL-カルニチンは心臓の機能をサポートし、エネルギー代謝を促進するため、これらの成分を含むフードを選びましょう。
また、オメガ3脂肪酸が豊富なフードも心臓の健康に良い影響を与えます。
これにより、心臓の負担を軽減し、シニア犬の健康寿命を延ばすことが可能です。
食欲低下や老化に対応するドッグフード
シニア犬は食欲が低下しやすく、老化によるさまざまな問題を抱えることがあります。

食が細くなって体重が急に減ってしまうことも少なくありません
食欲を刺激するためには、嗜好性が高く、香りが強いドッグフードを選ぶと良いでしょう。
ウェットフードや半生タイプのフードは、食べやすく嗜好性が高いため、シニア犬に適しています。
また、関節の健康をサポートするためにグルコサミンやコンドロイチンを含むフードもおすすめです。
さらに、ビタミンEやビタミンC、オメガ3脂肪酸を含むフードは、抗酸化作用があり、老化の進行を遅らせる効果があります。
これにより、シニア犬が健康で快適な生活を送ることができます。
シニア犬の食事タイミングと調整方法
シニア犬の健康を維持するためには、適切な食事タイミングと量の調整が必要です。
年齢とともに消化機能が低下するため、食事を小分けにして与えることが推奨されます。
特に、1日2回から3回の食事が理想的です。また、年齢や体重、活動量に応じた食事量を調整することで、健康管理がしやすくなります。
次に、具体的な食事回数と量、年齢別の食事量とタイミング、生活スタイルに合わせた食事スケジュールについて詳しく解説しますので参考にしてくださいね。
1日の適切な食事回数と量
シニア犬にとって適切な食事回数は1日2回から3回です。
これは、消化機能が低下するシニア犬にとって、食事の負担を軽減し、エネルギーを安定して供給するためです。
食事の量は体重や活動量に応じて調整しましょう。
例えば、体重が増えすぎないように低カロリーフードを選び、体重を定期的にチェックすることが重要です。
反対に、食が細くなって体重が減ってきてしまう場合には、少しの量でもしっかり体重維持できる高カロリーのシニア食をあげるようにしてください。
各食事でバランスの取れた栄養を摂取させることが健康維持の鍵です。
シニア犬の年齢別の食事量とタイミング
シニア犬の年齢に応じた食事量とタイミングも重要です。
例えば、7歳以上の犬にはシニア犬専用のフードを与えることが推奨されます。
これにより、カロリーや栄養素のバランスがシニア犬に適したものになります。
また、10歳以上のハイシニアには、さらに小分けにした食事が良い場合があります。

1日の総量は変えず、1回の量を減らして食事の回数を増やしましょう
特に、食事回数を増やすことで、消化吸収がスムーズになり、健康管理がしやすくなります。
生活スタイルに合わせた食事スケジュール
シニア犬の食事スケジュールは、飼い主の生活スタイルに合わせて調整することが大切です。

可能であれば、前述のように食事の回数を増やすのが好ましいのですが、飼い主さんがお仕事をしていると難しいですよね
例えば、日中に仕事で留守が多い家庭では、朝と夜の2回の食事が基本となります。
朝はエネルギーを補給するために少し多めに、夜は軽めに与えると良いでしょう。
休日などに余裕があるときには、3回に分けて与えることで消化を助けることができます。
規則的な食事時間を守ることで、犬の消化器官のリズムを整えることができます。
シニア犬がドッグフードを食べない場合の対処法
年を重ねた愛犬がドッグフードを食べなくなると、飼い主としては不安が募りますよね。
この問題に対処するためには、まず愛犬の健康状態をしっかりと確認することが大切です。
さらに、食事の工夫やドッグフードの種類を見直し、必要ならば獣医師に相談することが賢明です。
ここでは、具体的な対策方法を詳しく説明していきます。
食欲低下の原因を探る
シニア犬が突然ドッグフードを食べなくなった場合、まずは健康チェックを行いましょう。
食欲不振は、歯や口腔内の問題、消化器系のトラブル、内臓の病気など、さまざまな健康問題の兆候である可能性があります。
特に、歯の痛みや口内炎は食欲を低下させる大きな要因です。
また、下痢や嘔吐、体重減少などの症状が見られる場合は、すぐに獣医師に相談することが必要です。
定期的な健康診断を受けることで、早期に問題を発見し、適切な対処が可能になります。
獣医さんに相談
シニア犬がドッグフードを食べない場合、まずは獣医師に相談することが肝心です。
健康状態が悪化している可能性や、原因が特定できない食欲不振などの症状が見られる場合、専門的な診断が求められます。
獣医師は徹底した健康チェックと必要な検査を通じて、具体的な原因を見極め、最適な治療法や食事の調整についてアドバイスしてくれます。
特に特定の疾患が食欲の低下を引き起こしている場合、それに対応した療法食が推奨されることがあります。
このような特別なドッグフードは、疾患の管理や栄養バランスの改善に役立ちます。
さらに、シニア犬は加齢に伴って代謝や消化能力が低下するため、食事の質や種類が重要になります。
高齢犬専用のドッグフードや療法食を利用することで、健康維持や寿命の延長を図ることが可能です。
獣医師との連携をしっかりと行い、愛犬の健康を守りましょう。
手作りご飯を取り入れる
シニア犬の食欲を回復させるには、食事の工夫が非常に有効です。
まずは、現在使用しているドッグフードを見直し、シニア犬専用のウェットフードや柔らかい食感のフードに変更してみましょう。
これらは、噛む力が弱くなっているシニア犬でも無理なく食べることができます。
次に、風味や香りが強いドッグフードを選ぶことで、嗅覚が衰えつつあるシニア犬の食欲を誘発しやすくなります。
特に、シニア犬向けに開発された製品は、味や香りに工夫が凝らされているものが多いのでおすすめです。
さらに、手作りごはんを取り入れることも一つの手です。
新鮮な食材を使った手作りのご飯は、市販のドッグフードにはない独特の美味しさを提供できます。ただし、栄養バランスには十分注意し、必要な成分が含まれていることを確認しましょう。

栄養学に精通していないと、栄養バランスを細かく調整するのはむずかしいので、総合栄養食にに手作りごはんを混ぜるのがオススメ
最後に、食事の時間を一定にし、規則正しく与えることも重要です。
これにより、シニア犬の生活リズムが整い、食事の習慣が身につきやすくなります。
これらの工夫により、シニア犬の食欲が徐々に改善される可能性が高まります。
フードの温度調整
シニア犬がドライフードを食べにくい場合、フードを温めたり、ふやかしたりすることが効果的です。
フードを少し温めることで香りが引き立ち、食欲を刺激することができます。
電子レンジで数秒温めるだけで十分です。
また、ドライフードをぬるま湯でふやかすことで、柔らかくなり、食べやすくなります。
ふやかしたフードは、消化も良くなるため、シニア犬にとって負担が少ないです。
これらの方法を試して、愛犬の食欲を回復させましょう。
食欲増進のためのトッピング
シニア犬の食欲を増進させるために、トッピングを加えることも一つの方法です。
ドッグフードに少量のウェットフードやチキンのスープ、野菜のピューレなどをトッピングすることで、風味が増し、食欲を引き出すことができます。
ただし、トッピングの内容には注意が必要で、塩分や糖分の少ないものを選びましょう。
また、トッピングを使用する際は、全体のカロリー量を確認し、バランスの取れた食事を心掛けることが重要です。
シニア犬がドッグフードを食べない場合、健康チェックや食事の工夫、獣医師との相談など、さまざまな対処法があります。
これらの方法を試して、愛犬の健康と食欲を維持しましょう。
愛犬がシニア期を健やかに過ごすために
シニア犬の健康を保つためには、適切なドッグフード選びと食事の調整が不可欠です。
良質なタンパク質、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルをバランスよく含むフードを選び、消化に優れた食事をあげましょう。
1日2回から3回の食事で消化器への負担を軽減し、生活スタイルに合わせた食事スケジュールを設定します。
定期的な健康チェックと、年齢や健康状態に応じた食事量の調整も忘れずに。
愛犬が健康で長生きできるよう、日々のケアを大切にし、必要なサポートを続けましょう。
シニア期を迎えた愛犬との時間を大切にし、健康で幸せな日々を過ごせるよう、積極的にサポートしていきたいですね。