【危険】4Dミートって何?安価なドッグフードに入っているお肉の正体

ドッグフードについて勉強していく中で、4Dミートの存在を知ったときは誇張抜きに身震いした、犬の栄養管理士マスターの資格を持つちさと( chisato.shihtzu)です。
「4Dミート」とはドッグフードの原材料ですが、フードのパッケージに「4Dミート」と書かれているのを見たことはありますか?

そんな原材料名は見たことないけど

そう、原材料欄には書かれない俗称なんです
4Dミートは、アメリカで粗悪なドッグフードに使われているお肉の蔑称。なぜ粗悪なドッグフードに使われているか…それは良質なドッグフードには使えない理由があるから。
だからこそ、あなたもどこかで「4Dミート」という言葉を知って、「何か良くないものかもしれないぞ?」というアンテナが立ち、この記事にたどり着いてくださったのではないでしょうか。
この記事では
- 4Dミートとは
- 4Dミートを見分ける方法
- 食べることによる愛犬の体への影響
について、掘り下げて解説していきます。
忙しくて記事全部なんて読めない!という方は、これだけは覚えて帰ってください!!
4Dミートの正体は「食用として使えない肉」

それではここから、もっと掘り下げて解説していきます。
4Dミートとは「人間の食用として使えない肉」の俗称です。食用ではないので安価で手に入ります。
人間の食用として使えない肉を、安価だからと言ってペットのごはんに使って良いのか。
飼い主目線で言えば、大切な愛犬にそんなものを使って欲しくないですが…現実は4Dミートが使われているドッグフードが存在するのです。
4Dミートとは「食用として使えない肉」の俗称

冒頭でもお伝えしましたが、4Dミートは「食用として使えない肉」の英単語の頭文字を取って名付けられた俗称です。
アメリカでの肉のランク付けにおいて、「食肉として不適格」とされる最低ランクの肉のことを指しています。
- DEAD=食肉用以外の理由で死んだ動物の肉
- DISEASED=病気で死んだ動物の肉
- DYING=死にかけの動物を殺して得た肉
- DISABLED=障害があった動物の肉
字面を見るだけでも気分が悪くなってしまいそうですが、実際にアメリカでは4Dミートがペットフードに使われていました。
愛犬の体調不良をきっかけに、カナダ在住の愛犬家が企業を相手に徹底的に調査して市販のペットフードの闇を暴いた、いわば暴露本があります。
ペットフードに4Dミートが使われることの恐ろしさが包み隠さず書かれているので、発売当時はペットオーナーからかなり反響があったようです。
そして、1997年に発売されたこの本をきっかけに、カナダやアメリカでもペットフードの原材料が見直されてきました。
日本では2003年に翻訳版が発売され、「4Dミート」という言葉が少しずつ広まり、今に至ります。
それでは、4Dミートは具体的にどんなお肉なのかを解説していきます。かなりショッキングな内容となりますのでご注意ください。
DEAD=食肉用以外の理由で死んだ動物の肉
「DEAD」は「死」を意味しますが、4Dミートの「DEAD」は食肉用以外の理由で亡くなったことを指します。

屠殺(とさつ)ではないということですね…
具体的にな死因は次のようなものです。
- 交通事故で亡くなった動物
- 動物園で亡くなった動物
- 安楽死になった動物
交通事故で亡くなった動物と聞いて、まず思いつくのは何でしょうか?

猫とかタヌキとか…
家畜であり食用となる牛や豚、鶏が交通事故で亡くなるのは数としては少ないですよね。
4Dミートの「DEAD」には、交通事故で死亡した猫やタヌキ、野犬やキツネ、鹿など家畜以外の動物も含まれています。
動物園で亡くなる動物の種類も様々ですよね。その動物たちの肉もペットフードに使われます。その中には当然、ペットたちのごはんとしてふさわしくない動物もいるのです。
最後に、やむを得ない理由から安楽死となった動物の肉です。これは、先ほどの書籍「食べさせてはいけない!―ペットフードの恐ろしい話」によると、該当するほとんどは犬や猫とのこと。
そして、あろうことか「安楽死させるための薬が体内に残っているまま加工」されるのですが、当然ながらそのペットフードを食べる愛犬や愛猫の体に良い影響があるわけがありません。

そもそも犬や猫の肉がペットフードに使われるなんて…!!!
DESEASED=病気で死んだ動物の肉
「病気で死んだ動物」と聞いて思いつくのは、以下のような家畜の集団感染による殺処分ではないでしょうか。
- 鳥インフルエンザ
- 豚熱
- 口蹄疫
- BSE(狂牛病)
これら感染病により亡くなった動物の肉は現在、使われることはほぼありません。
ただ、集団感染により亡くなった家畜以外の「何らかの病気により」亡くなった個体は、然るべき機関の監視がない状況で廃棄されますので、加工される可能性はゼロではないのです。
DYING=死にかけの動物を殺して得た肉
「死にかけ」という定義はどのような状態のことを指すのでしょうか。
文字通り「死にかけている」、または「非常に弱っている」状態の動物を殺して得た肉を指します。具体的には次のようなケースです。
- 末期の病気を患っている
- 老衰で体力がなく、弱っている
- 負傷して瀕死状態
このように弱っている動物を殺して、その肉をペットフードにするのは、フードを食べる犬や猫の健康に対する不安や心配だけでなく、殺処分されてしまったその動物に対しても失礼ではないかと思いました。

個人の感想です
DISABLED=障害があった動物の肉
けがや病気などで体に障害がある動物から取った肉のことを指します。

事故や先天性・後天性の病気により、重い障害が残ってしまったケースですね
普通、肉を作るときには健康で元気な動物を使いますが、4Dミートに使われる動物の中にはこのように「体に障害がある」動物も含まれます。
障害を持つ動物の肉は、安全面と衛生面での懸念があるため、ドッグフードに使うことを避けるべき肉の1つです。
病気の動物は体内に病原菌が残っている可能性があるため安全ではないことはわかりますが、ではなぜ障害がある動物もまた安全性が心配なのでしょうか。理由は次の通りです。
- 一般的に体が弱っていることが多く、それにより感染症にかかりやすくなっているため(感染症にかかっている可能性がある)
- 治療のために抗生物質や他の薬剤を投与されている場合があり、その残留物が体内に残っている可能性があるため
- 障害があるために適切な栄養が得られずに肉の品質が落ちる可能性があるため
もちろん先天性または後天性の病気が原因で体に障害がある場合は「DESEASED=病気で死んだ動物の肉」と同様に病原菌が体内に残っているリスクがありますが、その他に障害特有の上記のような理由があるのです。
4Dミートを使用したドッグフードの製造方法とは?

人の食用として不適格な4Dミートなのに、一部のドッグフード製造業者がコスト削減のために利用している可能性があるということをご理解いただけたかと思います。
では、4Dミートはどのようにドッグフードの原料として製造されていくのでしょうか。
1.動物の死骸の収集
死んだ(DEAD)、病気の(DESEASED)、死にかけの(DYING)、障害を持つ(DISABLED)動物は、農場や家畜市場、または他の場所から収集されます。
これらの動物は先にお伝えした通り、自然死したもの、病気や事故で死亡したもの、または適切な飼育が行われていない環境から来ることがあります。
2.製造工場への運搬
これらの動物の亡骸は、製造施設へと運ばれます。
運搬するトラックについては、適切な冷却や衛生管理が行われない場合があり、細菌や病原体の増殖につながることがあります。

物流業界で働いていたのでわかるのですが、冷蔵・冷凍車などの特殊車両での運搬は通常のトラックよりも運送料がかかるので、使わないはず…
3.加工
製造施設に到着した後、動物の亡骸は解体され、肉が収集されます。
注意したいのは「解体」の定義。「解体」というと、ジビエなどで丁寧に皮・肉・内臓・骨などに分けるイメージがある方が多いのではないでしょうか。
しかし、4Dミートについてはコスト削減と効率化を目的として製造されているため、皮・肉・内臓・骨を分けずに機械によって加工されることが多いです。このような機械での解体加工工程を「レンダリング」といいます。
もちろんですが、肉の品質や安全性を保証するための厳格な検査や処理がされることはありません。また、病気の動物は病原体や薬剤の残留物が残っている可能性が大いにあります。
4.他の原材料との混ぜ合わせ・成形
レンダリングされた4Dミートは他の成分と混ぜ合わされ、ドッグフードとして成形されます。
この過程で、さらに多くの添加物や保存料が加えられることがあります。
4Dミートが使われているペットフードはその性質上、品質が不安定で、腐敗や品質の低下がしやすい傾向にあるため、製品の安定性を保つために、保存料やその他の添加物をより多く加える必要があることが一般的です。

添加物や保存料など化学物質の大量使用は、ペットの健康に影響を及ぼす可能性があるんです…
4Dミートの危険性とは?

4Dミートには多くの危険性が伴います。
まず、病気や死因が不明な動物の肉を使用することから、様々な細菌やウイルスが含まれている可能性があります。これにより、愛犬が感染症にかかるリスクが高まります。
また、死亡した原因が安楽死などの薬剤投与であった場合、薬剤が肉に残っている可能性もあり、愛犬の内臓に悪影響を及ぼすことが考えられます。
さらに、先ほどレンダリングのところでお伝えしたように品質が不安定なため、栄養不足やアレルギー反応を引き起こす恐れもあります。
これらのリスクを考えると、4Dミートが含まれるドッグフードの使用は、愛犬の健康を著しく損なう可能性があるのです。
4Dミートが使われているか見分ける方法

ドッグフードに4Dミートが含まれているかを見分け、愛犬に安全で栄養価の高いフードを食べさせてあげることは、飼い主の義務であり責任でもあります。
安全であるかを判断するには、ペットフードのラベルや成分表を確認することが不可欠です。
「副産物」、「ミートミール」といった曖昧な表現や、具体的な動物種が不明な成分は警戒のサイン!
低価格の製品も品質が劣る可能性があります。信頼できるメーカーを選び、成分の透明性を重視することが、4Dミートを避ける鍵となります。
4Dミートを見極めるポイントは「曖昧な表記」

4Dミートが使われているペットフードかどうかを見極めるためには、まずパッケージに表示されている成分表をしっかりと確認することが重要です。
特に、「ミートミール(肉粉)」、「動物性脂肪」、「副産物」といった曖昧な表現に注意しましょう。これらの成分は、特定の動物の種類や部位が明確にされていないため、4Dミートの可能性があります。

他にも「鶏肉等」などの曖昧表記は、メインに鶏肉は使われているけど、他の肉類や副産物が混入している可能性もあるんです
また、製品の価格が極端に安い場合は、品質の低い原材料が使用されている可能性があるため、警戒が必要です。
原材料名の表示やパッケージ表記の確認

4Dミートが使われているドッグフードを避けるためには、表示や表記の確認が欠かせません。
ドッグフードのパッケージには、使用した原材料(添加物を含む)を全て記載するよう法律(ペットフード安全法)で義務付けられています。
そのため、表示されている原材料を確認し、「チキン」「ビーフ」など具体的な肉の種類が記載されているか、またパッケージに「ヒューマングレード」といった表記があるかをチェックしましょう。
ヒューマングレードの原材料は、人間の食品としての基準を満たしているので、4Dミートが含まれる可能性は非常に低くなります。

「ヒューマングレード」の表記は、4Dミートを含まない良質なドッグフードの1つの基準になりますよ
さらに、信頼できるメーカーからの購入や、成分に関するレビューや情報をネットで検索することも、安全なペットフード選びに役立ちます。
4Dミートがドッグフードに与える影響

ここまでお伝えしてきたように、4Dミートを使うとドッグフードの品質と安全性に深刻な影響を与える可能性があります。
そのため、ドッグフードを選ぶときには、原材料にどのようなものが使われているのか細心の注意を払って確認する必要があります。
では、具体的にどのような影響があるのでしょうか?ここでは、4Dミートが愛犬の健康に与える危険な影響に焦点を当ててお話ししていきますね。
4Dミートが使われているドッグフードの安全性

4Dミートが使われているドッグフードは、細菌や病原体、健康に影響が出てしまう薬剤の残留物が含まれているリスクが高くなります。
これらは大切な愛犬の健康に様々な問題を引き起こす可能性があり、特に免疫力の低い子犬やシニア犬にとって危険です。
愛犬にとって必要な栄養素が足りなかったり、1つ1つ同じ品質が保てないことがあります。つまり、新しい袋を開けるたびに、フードの見た目や味が変わる可能性があるのです。

「あれ?前回のフードとなんかちょっと違うような…?」
というのは、かなり不安ですよね。。。
このようなフードを長期間にわたってあげ続けると、愛犬の健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。
4Dミートの健康への影響

4Dミートが愛犬の健康に及ぼす影響は深刻です。
細菌感染や食中毒のリスクが高まるほか、長期的には慢性的な健康問題や疾患の原因となることもあるためです。
また、化学物質の残留物は、アレルギーや内分泌系の障害を引き起こす可能性もあります。
4Dミートによる愛犬の健康リスクは次のようなものがあるため、注意してください。
これらの疾患は、愛犬の生活の質を低下させ、しいては寿命を短くしてしまう可能性があります。
愛犬が健康で長生きするためには、高品質で栄養バランスの取れたドッグフードを選ぶことが重要なのです。
安全なドッグフードの選び方

安全なドッグフードを選ぶには、原材料やパッケージに書かれている表示をしっかりと確認し
- 明確に動物種が記載されているもの
- ヒューマングレードの製品を選ぶこと
が重要です。
信頼できるブランドやメーカーから購入し、成分の透明性に重点を置くことも重要です。

原材料名が明確に書かれていればいるほど、安心材料になります
(それだけで絶対安心というわけはありませんが…)
また、愛犬がいつまでも健康でいられるように、子犬、成犬、妊娠中やシニア期など、その時々のステージに合った必要な栄養をしっかりと取れる、適切なフードを選ぶようにしましょう。
4Dミートが使われていない安心安全なフードを選ぼう
愛犬に健康で長生きしてもらうためには、愛犬の体に良いドッグフード選びは欠かせません。もっと言ってしまえば、飼い主の義務でもあります。
本記事では、ドッグフードに潜むリスクの一つである「4Dミート」の実態と、その潜在的な危険性について詳しく解説しました。
4Dミートが使われているフードは、愛犬の健康に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。ドッグフードを選ぶときには、パッケージに書かれている原材料名ををよく確認して、明確な肉の種類が記載されているか、不明瞭な表現が使われていないかをチェックしましょう。

ヒューマングレードのドッグフードを選ぶと安心です
愛犬の健康を守るためには、原材料や成分の品質と透明性を確認したり、信頼できる情報源から正しい知識を得ることが不可欠です。
愛犬の健康のために高品質なドッグフードを選ぶことは、愛犬への愛情を示すことでもあり、愛犬が健康で幸せな生活を送るために欠かせない選択となりますので、ぜひしっかりとフード選びをしてくださいね。